編み物の毛糸には、さまざまな素材(繊維)が使われています。
素材の種類はとても多くあり、1つの素材をとっても奥が深いです。編むのに適した糸が選べたり、編む素材によって編み心地が変ったり、編んだ後も扱い方も素材によってさまざまです。素材を知ることで編み物が楽しくなりますよ。今回は夏に活躍するリネンについてご紹介します。
目次
麻 リネン ラミーとは
麻は、植物からなる繊維で、リネン(亜麻アマ)とラミー(苧麻チョマ)の2種類があります。
製品につける品質表示には同じ”麻”と表記されていますが、2つは違う植物ですので、一言に麻といっても性質や素材感は異なります。素材にこだわるあなたに知っておきたい2つの違いについてご紹介します。
リネン・・・繊維が細く短く、しなやかです。節もあるのでナチュラルな雰囲気があり、色もベージュです。
ラミー・・・繊維が太く長く、強いのが特徴です。細い糸が作れます。色は白いです。
このように風合いや見た目の差があります。
リネンの方が柔らかいので個人的には、リネンの方が好きですが、糸のキレイさでしたらラミーです。
リネンの方が柔らかいので個人的には、リネンの方が好きですが、糸のキレイさでしたらラミーです。
リネン糸の作り方
上記でご紹介したリネンの特徴に、繊維が細く、短くいのにしなやかな糸をつくり出すには、リネンならではの糸の作り方がります。繊維が短いと普通に紡績することはできません。
そこで、【潤紡(じゅんぼう)】という特殊な方法で、糸を紡ぎます。【潤紡(じゅんぼう)】は、お風呂より少し熱いくらいのお湯の中で紡績します。すると、リネンからペクチンという物質が溶け出して、繊維と繊維をくっつけます。ペクチンは天然の多糖類で、ノリの役目をします。
表面全体をペクチンが覆うことで、独特のハリコシと光沢、サラッと感などが生れてくるわけです。
そこで、【潤紡(じゅんぼう)】という特殊な方法で、糸を紡ぎます。【潤紡(じゅんぼう)】は、お風呂より少し熱いくらいのお湯の中で紡績します。すると、リネンからペクチンという物質が溶け出して、繊維と繊維をくっつけます。ペクチンは天然の多糖類で、ノリの役目をします。
表面全体をペクチンが覆うことで、独特のハリコシと光沢、サラッと感などが生れてくるわけです。
ちなみに、ラミーは繊維長が長く、通常の紡績でひくことができるので、【潤紡】ではひきません。
なので、リネンよりも毛羽が目立つことがありますが、紡績技術の進化で毛羽も抑えられつつあります。
麻の特徴
麻は、綿の4倍の吸湿力があります。汗などをすぐに吸湿して発散させるので着用していて快適です。
さらっとした肌触りとこの吸湿力が麻繊維が夏によく活躍する理由です。
さらっとした肌触りとこの吸湿力が麻繊維が夏によく活躍する理由です。
高級なシーツは、麻(リネン)を使用されることがあります。リネンのシーツは憧れですね。
紀元前前からある繊維「リネン」
【月光で織られた生地「リネン」】
「リネン」は紀元前3000年頃の古代エジプトで「月光で織られた生地」と呼ばれていたそうです。
神事にも使用されている神聖な繊維でもあります。エジプトで生まれた繊維ですが、その後ヨーロッパで広く浸透しました。
リネンの花
冒頭の写真は、リネン(亜麻)の花です。リネンは一年草で6月下旬~7月下旬に薄い青紫色の花を咲かせます。しかも開花するのは早朝、朝日を浴びながら開花し、その日には散ってしまうというとても儚い花です。
また次の日には別の蕾が膨らんで開花します。
ちなみの日本では、北海道の当別町で栽培されていて、亜麻の実をオイルに加工されているようです。