工業糸を使いこなすための番手(ばんて)の換算、総合番手計算方法

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大久保 千聖

こんにちは、大久保です。
丸安毛糸㈱では工業糸を一般の方に販売しています。

工業糸とは、アパレル用に使われるニット糸のことで、主に工業用の編み機で使用されることが多いです。

でも手編みでも十分に使えます。手編み用に小巻にしてあるか、していないかの違いだけです。
(中には手編み用に加工されている糸もあります。)

お得に購入した工業糸を使うために必要なのが番手(ばんて)換算です。

手芸糸は、〇g/〇m と記載がありますが、これは番手を〇g/〇mにしたものです。

番手とは、糸の太さを表す単位です。

1g=1m=1番手

1/2.7 と記載があったら、1g=2.7mという意味です。50gで135m。100gで270mになります。

そして、工業糸は細い糸が多いので手編みをする場合いは、さまざまな種類の糸を組み合わせて編むこともおすすめです。その時に必要なのが、番手が異なる糸の組み合わせをした場合の総合の番手(総合番手)の計算方法です。今回は総合番手の計算方法をご紹介します。

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総合番手の計算方法

例:「バルーンコットン7」 番手:1/2.7 と 「ラプター」 番手:2/5.5 を一緒に使う場合の総合番手の出し方を解説します。

①番手の単位を合わせる

番手には、毛番手、綿番手、麻番手、デニール、デシテックスと素材によってさまざまです。

毛番手の例:2/20、1/10、1/5.5 と /(スラッシュ)を境にした右側の数字が大きい

綿番手の例:20/2、10/1、10/2 と /(スラッシュ)を境にした左側の数字が大きい

麻番手の例:40/2 と /(スラッシュ)を境にした左側の数字が大きい。麻100%の素材に限る

デニールの例:60d、150d、300d(主に化学繊維に使用)

デシテックスの例:75dtex(主に化学繊維に使用)

※よく使うのは、毛番手と綿番手です。

毛番手をデニールに換算し、番手の単位を”デニール”に合わせます。

デニールへの換算方法、9000÷番手です。

9000mに糸を伸ばしたときの重さが1g=1デニールになるので、9000を使います。

「バルーンコットン7」 番手:1/2.7・・・9000÷2.7=3333デニール 

「ラプター」 番手:2/5.5・・・9000÷(5.5÷2)=3272デニール
※番手の/(スラッシュ)を境にした左側が1ではない場合は、右側の数字÷左側の数字を先に行います。

②換算した数字を足して、合計数をだします。

3333デニール+3272デニール=6605デニール

③合計のデニールから毛番手に換算します。(合計の数÷9000)

6605デニール÷9000=0.73

④総合番手は、1/0.73になります。

つまり、1g=73mです。極太糸となります。

工業糸を組み合わせたセーター

下記のセーターは工業糸を組み合わせてセーターを作りました。
さまざまな糸を組み合わせると、色の変化や表情が出ます。より自分好みにアレンジできますね。
グレーの太めの糸とクリーム色の糸を組み合わせています。

このセーターは、doliminue/ドリミーヌさんデザインの”Tセーター №2『LACE レース』”をアレンジしています。このセーターは初心者の方向けに作成されたセーターの編み物キットです。アレンジもしやすく編みやすいパターンなのでお気に入りです。

では皆さんも編み物楽しんでいただけると嬉しいです。

記事を書いた人

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大久保 千聖

文化服装学院ニット科卒。ニットの会社で働いています。
小さいころから、編み物が好きです。編み物って楽しいですよね。編み物の楽しさを多くの方に知って頂き、編み物の楽しさを広めたい!と手芸ブランド「60ろくまる」をスタートしました。趣味はもちろん編み物。ほかにステンドグラスを作ったり、頻繁に旅行に出かけます。

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